投資回収マネジメントにおける指標
多店舗展開を実現するために、投資産業+オペレーション産業の2つのマネジメントの両立が重要です。
店舗ビジネスにおけるマネジメントの体系
〈視点〉 | 〈業績指標(KPI)の例〉 | 〈管理単位〉 | 〈期間の定義〉 |
投資回収マネジメント | •ROI(投資収益率) •NPV(正味現在価値) •IRR(内部利益率) •投資回収期間 |
店舗 | ライフサイクル (出店~閉店) |
オペレーション・ マネジメント |
•営業利益 •営業C/F |
店舗 | 事業年度 |
残念ながら、実態として、投資回収マネジメントが欠けているケースが多いようです。
しかし・・・ 投資回収マネジメントは決して難しいものではありません。その考え方と重要性を経営幹部が理解し、管理会計に準じたデータ管理の仕組みを作れば、貴社でも速やかに運用ができます。(新たなIT投資は必要ありません。)
投資回収マネジメントにおける重要業績指標(KPI)
- 投資収益率:ROI (Return on Investment)
投下した資本がどれだけの利益を生んでいるのかを測る基本的な指標です。 基本的な式は次のとおりで、ROIは大きいほど収益性に優れた投資案件ということになります。
ROI= 利益÷投資額×100
また、利益の代わりにキャッシュフローをベースにして計算すれば、投資回収効率の評価にも使えます。
- 正味現在価値:NPV (Net Present Value)
投資する対象のプロジェクトが生み出すキャッシュフローの現在価値(DCF)の総和。NPVが大きければ大きいほど経済価値が大きく、NPVがマイナスであれば採算が得られないことを示します。なお、NPVがゼロとなる割引率をIRR(内部収益率)という。
- 内部利益率:IRR (Internal Rate of Return)
IRRとは、投資評価の一指標で、NPVをゼロにするような割引率を言います。IRRは、投資額と投資に伴う収益額が同金額となる場合に0%となり、収益額が投資額を上回る場合にプラスとなります。IRRは、投資額が同じ場合、収益額が多いほど、収益の回収が早いほど高くなり、IRRが目標レートを上回ることが投資条件となります。
NPVの数式及びIRRとの関連は以下の通りです。
- 投資回収期間 (Payback Period)
投資額が何年で回収されるかを算定し、その期間(年数)によって投資事案を評価する手法。生み出されるキャッシュフローの累計額が投資額と等しくなる期間を年で示す値(投資回収年数)を求め、基準よりも短期間であれば投資を行い、投資案件が複数ある場合は、より投資回収年数が短いものを選択します。